フィールド計測機器の活用 |
(有)山口商店 |
2019/06/26 |
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林業関連での活用について |
08 |
バーテックスレーザー ジオ を使って測量してみよう! |
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今回はハグロフ社の「バーテックス レーザー ジオ」のご紹介です。 もう、これさえあれば森林内の測定作業はすべておまかせ!といった感じです。 弊社ではこのバーテックスジオの販売に向けてマニュアルの作成や実際の使い方の検証などを行っています。 そんな中から見えてきたこの機械のいい所をお伝えしたいと思います。 従来からあるレーザー距離計は森林内の測定にはちょっと使いづらい部分がありますが、このバーテックスレーザーはジオはそんな悩みを解消できるものと思われます。 それは レーザー測距の方式の違いにより従来測りづらかった測定が、スムーズにできること。 状況に応じて超音波距離計を使用できること。 電子コンパス搭載で方位測定が簡単にできること。 GNSS(GPS)内蔵で測定作業に関する位置情報をうまく利用できること。 また測定したデーターは内蔵のSSDに記録が可能で取得データの活用もできること。 左の写真はバーテックスレーザー ジオを使った測定の様子です。 |
バーテックスレーザー ジオ には色々な機能が多彩です。
順次ここのページでもご紹介して行く予定です。
マップトレイル機能
この機能はコンパス測量にかわる機能だと思います。
また簡易トラバース測量と云ってもいいかもしれません。
測りたい所を順番に覗いてボタンを押し、SENDボタンで測定値を記録していきます。
記録したデータはKML形式とCSV形式のファイルとして記録されています。
測量後、パソコンとUSBケーブルで接続しします。
現場でつけたIDがファイル名として記録されています。
KML形式のファイルはグーグルアースで開くことができます。
開いた感じはこんな感じです。
上記のピンが立っているところに番号がふられていますが、これがIDの番号です。ID=5221(これは観測日が5月22日だったので522、最後の1は1回目の測定だったので1にしました。)カンマの後の番号は測定した点の番号です。自動で1番からふられていきます。
観測は、スタート点 ― 1番 ― 2番 ― 3番 ― 4番 ― 5番 と観測しています。
余談ですが、ちなみにこの場所は弊社の前の豊橋公園です。
上の画像をもう少し大きくしたのが下の画像です。
ちなみに2番目の点をマウスで右クリックしてプロバティを出しています。
次はCSV形式のファイルをエクセルに取り込んだところです。
項目がたくさんあるので表を左と右に分けています。
表の左の部分。
表の右の部分。
UTM図法のUTM座標や緯度経度、観測方位角、距離などいろいろ出ています。
下にコンパス測量のデータとして活用できる部分を拡大してみました。
SD:斜距離
HD:水平距離
H:ターゲット高
PITCH:ターゲットの角度
AZ:ターゲットの方位角
閉合トラバース測量
上記の方法で閉合トラバース測量を行ってみた。
作業にかかった時間は約20分程度。(CSVファイルの時間のデータより)
作業人数は1名。(ターゲットの設置など一人で行う)
作業場所は豊橋公園内。
測定ポイントは事前に測量鋲を4カ所打ち込み。
作業の状況は下記の通り。(KMLファイルに記録されているグーグルアースのデータ)
上記測量データCSVファイル
上記測量データを CielCAD LT で計算する。
起点になる点を事前に日本の測地系の座標に変換する。(参考:ここの場所は7系)
Ciel CAD LT
で計算された結果はこちらのファイルでご確認ください。ここ
計算結果。(グーグルアース)
確認の意味で、上記をトータルステーション(光波距離計)を使って測量してみました。
結果は下記の通りです。マップトレイルで取ったデータと見比べてみましょう。
トータルステーションでの測量結果。ここ
ちなみにマップトレイルで使用したターゲットは光波測距儀用ターゲットポール。光反射用のプリズムを外したもの。(下記写真参照)
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バーテックスレーザージオで測定する場合は手持ちで十分であるが、機器を固定するために下記のような方法で計測した。
裏側にあるターゲットポールは測点に垂直に立ててある。
バーテックスレーザージオが測点の真上に来るように測定姿勢を決めておくと誤差も少なくなるのではないかと思われる。
その他マップトレイルで測定時、裏側の風景と識別しやすい大きめのターゲットを使用するとなお使いやすいと思われます。
また測定距離もコンパスの精度とのバランスを考えた距離で各点間をとって行くことで測定精度を上げて行くことが可能だと思われます。
バーテックスレーザージオの本体下側には固定用の1/4インチのネジがありますが、ポールに固定した場合は上下方向に向けることができません。
そのため手持ちの使用がベストだと思われます。
今回は行っていませんが、コンパスのキャリブレーションを行っていくことでコンパスの精度も向上するかもしれません。
今回の測量で効率よくマップトレイルでの測量ができることもわかりました。
その他の電子コンパス内蔵のレーザー距離計やバーテックス(超音波距離計)などの測量の場合、本体で測定データの記録ができませんが、このバーテックスレーザージオは測定データを記録していける所に大きなメリットがあると思われます。
またBluetoothも日本での技適もとれていますので、スマホなどのアプリなどとの連携も可能で、今後その使い方も面白いと思います。
マップターゲット機能
GNSS(GPS)を使ってエリアの測定
マップターゲット機能を使用してエリヤの面積を測ってみました。
現場5313はマップトレイルで測った場所を測ってみました。
閉合トラバースの計算結果と見比べてみてください。
結果
現場5313
AREA
2,998u
LENGTH
236m
現場5314
AREA
11.3ha
LENGTH
1,548m
上記データの活用は色々可能です。
その他、各種GISソフトにも取り込みが可能です。
Bluetooth通信
バーテックスレーザージオには Bluetooth が内蔵されていて無線でパソコン、スマホ、タブレット、電子キャリパーへデータの送信が可能です。測定結果を SEND ボタンを押して転送できます。
スマホのアプリ nRF Connect を使用して送信データを見ることができました。
nRF Connect
また、nRF Logger (スマホのアプリ)で受信したデータの記録もできました。記録されたデータはファイルとして保存等ができ他のアプリやソフトでも利用が可能です。
nRF Logger
また、Haglof Link (スマホのアプリ)でも送信データを表示が可能です。
Haglof Link
Haglof AC (スマホのアプリ)では外部内部のGNSS(GPS)機能で測定した面積を計算表示します。
Haglof Link
また App Store の GeoCom 等も利用が可能です。
GeoCom
掲載:2019/05/23