共通フォーマットについて  更新:2002/7/22


日本測量機器工業会と共通フオーマツト
 各メーカの測量用コンピュータシステムは、それぞれ独自のデータ構造を持ち、お互いのデータのやり取りにはかなりの労力と制限がありました。このことは、お客様への不便と同時に、メーカ側の対応が多岐にまたがることから、結局お客様に高額なコスト負担を強いることになります。
 日本測量機器工業会ソフト部門会では、測量に関する各種共通フォーマットを定め、お客様間におけるデータの受け渡しがスムーズに行うことができる様に活動しています。以下に各種共通フォーマットの関連図を示します。

■日本測量機器工業会とは
測量用の機器やコンピュータシステムのメーカー及び販売店を構成員とし、次のことを目的として活動しています。
 「本会は、本邦における測量機器工業の健全な進歩発展を企図し、もって国民経済の発展に寄与することを目的とする。」(定款第3条より)
 本会の専門部門会の一つrソフト部門会」において、各杜参加による共同作業と検討を重ねて共通化を行いました。

※ SIMAとは Japan Surveying Instruments Manufacturers' Association から、Japanを取った残りの英語の頭文字。

■日本測量機器工業会が管理する共通フォーマットの概要
★SIMAフオーマツト:
 コンピュータで計算された数値データを各記録媒体などでやり取りするときに、一旦、中間データに変換するときのフォーマットを定義したものです。平成6年度に制定され、その後、データの拡張を行い、最新のバージョンは「.03」です。
 詳細の形式定義書(規格)は、日本測量機器工業会で冊子を実費頒布しています。
★APA・SIMAフォーマット:
 APAフォーマットとも呼ばれます。各社現場システムと事務所システム間で座標データ、測量観測(対回)データを交換する際の通信方法とその内容を日本測量調査技術協会(略称:APA)が定め、平成11年に日本測量機器工業会へ管理が移管しました。最近では、このデータ形式をそのまま利用し、通信ではなくファイルに保管してやり取りされる事も多くなってきました。
 ファイルにはSIMAフォーマットと同様にバージョンを保持し、様々な変更に対応できる様になっています。現在の最新バージョンは「.02」です。
 詳細の形式定義書(規格)は、日本測量機器工業会で冊子を実費頒布しています。
★APA・SIMA水準観測データフォーマット:
 日本測量機器工業会が定め日本測量調査技術協会の承認のもとに、各社の水準用データコレクタからコンピュータヘ水準観測データを送信するための出カフォーマットです。平成14年4月に制定され、最新のバージョンは「.01」です。
 詳細の形式定義書(規格)は、日本測量機器工業会で冊子を実費頒布しています。
★JSP・SIMA-DMフォーマット:
 後述のDM形式に準拠したもので、全国測量設計業協会連合会(略称:JSP)が発案し、日本測量機器工業会が策定した形式です。DMとの最大の違いは、図郭単位でない事です。現場観測したデータを図郭割りなどの処理が必要ない為、簡単にやり取りができる様になっています。基本的に1ファイルでのやり取りで事足ります。
 また、実際の利用においてはDMと混同しない様、気をつけなければいけません。DM形式に準拠はしていますが結局は異なるものです。それぞれに対応したソフト、機能で読み込む必要があります。そして、前準備が重要である事はDMと同じです。
 詳細の形式定義書(規格)は、日本測量機器工業会で冊子を実費頒布しています。
■その他の共通フォーマットの概要
★DM:
 昭和62年までの3年間に行われた「ディジタルマッピングの標準化に関する研究」の成果を技術基準としてまとめた「国土地理院技術資料C・1-No154」が基本になる形式で、平成8年国土交通省公
共測量作業規程改訂に追加された「数値地形測量」の成果物となる「DMデータファイル」です。地形情報のデータがやり取りできます。このファイルには地形の種類を表す番号と、線や点等の形状種別と、点列座標のセットが主なデータとして登録されます。登録される地形情報は単なる番号の為、業務前準備には「どの番号で、どの地形を表すか」を明確に決めておく必要があります。このファイルを成果とする業務では前準備が非常に重要なものになります。
 また、この形式は1図郭を1ファイルにデータ保管する様、決められており、通常は図郭線を超えるデータは存在しません。図郭線を超えるデータは、図郭線で分割され、複数のデータになります。その結果、成果は複数ファイルに渡る事が殆どです。
★DXF形式:
 AutoCADで知られているAutodesk社が定めた、CADの図形データ変換フォーマットのことで、公的なものではないが実質的に世界の標準となっています。
★SXF形式:
 日本建設情報総合センター主催で、官民の建設業界関係者とCADメーカーが参加するCADデータ交換標準開発コンソーシアム(略称:SCADEC)が開発した、IS0規格STEP/AP202/CC2に準拠のCADデータ交換仕様です。
 建設産業界で利用される多種多様なCADデータの互換性確保と公共事業で利用する為の標準形式の作成を目的にしたもので、建設CALSにおける電子納品の際、図面データは本形式で登録する必要があります。ここで言う電子納品とは、調査、設計、工事などの国土交通省が発注する公共事業で各業務段階の最終成果を電子化するものです。
 電子納品は既に始まっており、工事に関しては発注金額等により電子納品しなければいけませんまた、調査、設計については平成13年から全て電子納品する事が義務付けられています。
 SXF関連の詳細は日本建設情報総合センターのホームページ(httpl//wwwjacic.or.jp/)を参照下さい。