トプコン FAQ     (有)山口商店 2004/03/01  


VRS-RTK方式 Q&A (公共測量)


はじめに

(株)ジェノバは、(株)トプコンおよび他測量機器メーカーと共同して「公共測量でVRS-RTK方式を利用するための精度検証作業」を2003年11月に行い、国土地理院から高評価を得ました。これにより、公共測量でVRS-RTK方式が利用できるようになりましたが、「実際にどのような手順で行えばよいのか?」についてご案内いたします。なお、本解説でご案内する手順は、ご利用者各位が「ジェノバ社と配信サービス契約を行うこと」を前提としています。

 

VRS-RTK方式の利用申請

どのような作業に利用できますか?

3級基準点測量と4級基準点測量に、適用可能です。

 

どのように利用申請を行えば良いのでしょうか?

公共測量作業規程・第16条の「機器等及び作業方法に関する特例」を適用して、利用申請手続きを行います。また、ご利用希望者に対しまして「VRS-RTK測量方式マニュアル(案)」並びに「VRS-RTK方式による基準点測量検証作業(報告書)」が準備されています。それを利用します。

 

誰が利用申請を行うのでしょうか?

公共測量を実施する計画機関が行いますが、「計画機関自ら国土地理院へ申請を行う」場合と、「作業機関が計画機関に申請し、これを元に計画機関が国土地理院
へ申請を行う」場合があります。また、いずれの場合も、測量法第36条「公共測量実施計画書の提出と技術的助言」に従って国土地理院へ手続きします。

 

VRS-RTK方式による測量手法
図に添って解説文を記載します。

 


@計画
仮想基準点は、任意の座標値を指定しなくとも良いですが、指定した方が再初期化する際に便利です。また、仮想基準点間の距離制限は無く、新点位置の制限(両既知点を結ぶ直線からの角度制限)もありません。
A観測
セッション名を決め、各々のセッションで夫々の仮想基準点から直接観測法を行い、異なるセッションで点検計算路線が形成されるように観測を行います。この時、新点と共に現地にある既設(既知)の基準点も同様に観測します。
B点検計算
点検計算は、基線ベクトルの比較により行います。図のように、異なる時間帯(異なるセッション)で形成される環閉合路線の閉合差を計算し、観測精度の確認を行います。
この時に、環閉合路線はなるべく短い路線を選定します。
C平均計算
平均計算は、既知点の1点を固定する仮定三次元網平均計算と、2点以上を固定して行う実用三次元網平均計算を行います。この時、既知点とは既設基準点のことであり、仮想基準点は計算経由点扱いで計算します。

おわりに
今後は、RTK-GPS方式と共にこのVRS-RTK方式も普及することが予想されますが、現場環境・業務内容や要求精度・コストなどから上手く使い分けることが重要です。

上記のQ&Aは、(株)トプコンよりの情報をもとに作成し、ご紹介しています。